不動産価格は時価

不動産価格は時価です|消費者の誤解

・不動産価格は時価|時と場合で変わります
・不動産価格を分かりにくくしている5つの価格
・未来の不動産価格は誰にも分かりません
・不動産価格について消費者は誤解してます

筆者は、不動産会社社長であります。しかし、このブログは営業目的で書いていません。

営業目的であれば、言わないでおいた方が良いこともあります。しかし、営業目的ではありませんので、本当のことを書いています。

何か気づきを得ていただければ幸いです。

不動産価格は時価|時と場合で変わります

知っている方もいるかもしれませんが、不動産の価格は時価です。

時と場合で変わります。それは、社会背景(事件事故・政治・税制)が変われば価格も変わるということです。

何故かといいますと、社会背景に変化があると、人の心や考えに影響が出ます。

人の心に「今買った方が良い」「今はやめておいた方が良い」などの影響が起これば、連動して価格は増減します。

価格が上がっています、と言われているときは「今買った方が良い」という考えの人が多いということになります。需要が多いという状態です。

価格が下がっているときは、「今はやめておいた方いい」という考えの人が多いことになります。需要が少ないということです。

特に影響を受けるのは、土地の価格とマンションの価格です。(住宅地でいえば、2022年に予定されている生産緑地の解除によって住宅地下落の可能性があることなども社会背景によるものです。)

 

 

今買った方が良いと考える人が多い状況といいますのは、実際に売れる数が増えます。

そして次の段階では、在庫がなくなっていきます。供給よりも需要が多い状態です。

在庫が少なくなれば、価格は自然の法則として、上がることになります。

 

反対に、今はやめておいた方が良いという人が増えれば、当然売れなくなっていきます。

しかし、売っている会社や中古物件の売主はそれでは困ります。値段を下げても仕方が無いという方向に進む、価格が下がっていきます。

戸建の場合は、土地の価格が上がり下がりすることで、間接的に影響を受けます。

 

ここまで説明した価格は、「流通価格」と言われるものです。今日明日または1ヶ月くらいで売れる価格ということです。

新築の場合、特にマンションの場合などでは、既に元の価格で買って貰っている人がいますので、売れなくなる場合は大変なことになります。

その場合、水面下で「値引販売」が始まります。

中古の場合、売主さんは売れないと困りますので、販売価格を考え直して、下げた価格で再度販売開始します。

反対に、価格が上昇してい場面では、新築の場合、どんどん売れ行きが進んでいくという現象になります。

「即日完売」という現象です。

中古の場合、後から売りに出てくる物件の価格が上がっていきます。

今この記事を読んでいるあなたが、買いたい人か売りたい人かは、分かりませんが、不動産の価格といいますのは、このようにシンプルな構造になっています。

但し反面、社会背景(事件事故、政治、税制改正)という予測がつかない物事の影響が強く働きます。

今日明日かせいぜい1ヶ月以内くらいまでの予測は出来ても、半年以上先になりますと、筆者のように業界経験が30年あっても責任を持った推測が出来ません。

 

不動産価格を分かりにくくしている5つの価格

前述しましたように、本来シンプルであるが予測困難という性格の不動産価格を分かりにくくしているのが、「価格の名称」にあると思います。

例えば土地の価格には、①実勢価格  ②公示地価  ③基準地価  ④路線価  ⑤固定資産税評価額  があります。

そして、不動産会社が算出する「流通価格」があるのです。

 

分かりにくいと思います。ですので、なるべく簡単に一つずつ解説してます・

実勢価格

これは実際の買い手と売り手の間で、過去に成立し取引が行われた価格です。過去の価格です。相場や事例と言い換えることも出来ます。

一昔前の不動産会社は、この数字を参考にして、売りたい方の物件を査定していました。

 

公示地価

これは、国土交通省が全国に定めた地点(標準地)を対象に、毎年1月1日現在の1㎡あたりの地価を、3月に公示したものです。

目安の一つにはなりますが、全国に決められている標準地の数は、多くないこともあり、一般の売買取引ではあくまでも目安の一つということになります。

公示地価の価格が参考とされる場面は、国や自治体が公共事業を行う際の用地の取得等です。身近なところでは、道路の拡幅等です。

 

基準地価

これは、各都道府県が基準値について、不動産鑑定士の評価より、判定したものです。公示地価とよく似ていいます。国が決めているか、都道府県が決めているかの違いです。毎年9月に発表されます。

 

路線価

これは、国税庁が毎年7月に発表します。

相続税の算出に参照する数字です。土地それぞれに値段がついているのではなく、「道路」に値段を設定することで、相続税の算出がしやすいように設定されています。

 

固定資産税評価額

これは各市町村が決めています。

固定資産税の計算するための基準となる価額です。土地だけではなく、建物も評価の対象となります。

 

以上ご覧頂きましたように、所管する管理者が違うのです。実際の売買取引ではあまり重視されません。

例外的には、査定を使用とする対象地の周辺に過去売買取り秘された事例(実勢価格)が無く、現在販売している物件も無いような場合には、路線価・固定資産税評価が実勢相場の60%〜70%である性質を利用し、計算の根拠に使う場合はあります。

しかし、取引事例がないということは、販売したい人がいないか買いたい人がいないということが考えられますので、売れない可能性も考える必要があります。

未来の不動産価格は神様にしか分かりません

もしも不動産会社担当に、半年後・一年後の不動産の価格は、こうなりますと説明を受けたとすれば、それは無責任な私見でしかありません。

最初に申し上げたとおり、不動産の価格は「時と場合で変わります」ので、その質問自体が無理ですし、答えを聞いても意味がありません。

気休めでしかないのです。

それはたとえて言うなら、天気予報士に、5~6年先のある日の天気を聞くのと同じくらいのことです。

 

実際に取引される価格は需要と供給のバランスで決まると申しましたね。

例えば、マンションの例で言えば、5〜6年後のある時期に同じマンションや周辺マンションで、何件の物件が売りでているか、それらがいくらの価格で出ているか、は分からないです。

エリアの需要は、一般的に大きく変動することはないので、ある程度の精度で分かります。

しかし、それさえも、リーマンショックのような大異変や消費税増税前の駆け込み、等という社会現象が5〜6年後のあるときの前後にあるかどうかは神様にしか分からない領域なのです。

 

これらの要素が分からないのに、5〜6年先にマンションの価格がどの位になっているのか、分かることは出来ないのです。

その質問に答えるのは、無責任というのは、そういう意味です。

しかし、無責任であっても専門家が言っている言葉で安心したいという人も世の中には存在します。その場合は、責任を持てないがこうなる可能性があるというかもしれませんね。

 

不動産価格について消費者は誤解してます

ここまで読んでいただいていれば、誤解していたことにお気づきになられているのではないでしょうか。

不動産の価格で、実勢価格や流通価格は、色々出来事により、上がることもありますが、下がることもあります。

しかもその幅はかなり大きいです。

消費者の方々(買いたい方・売りたい方)が、誤解しているのは、不動産価格の変化というものは、なだらかに穏やかに変化すると思い込んでいることです。

それは誤解です。

どちらかと言えば、上昇するときは、穏やかに上昇し、下落するとき、可なりの急角度で下落します。

本日(2019年6月)現在、首都圏のマンションは2017年をピークにたった2年で23%も下落しています。(参照「マンション売れない市場  値下がりが始まっている」)

2017年4月の新築マンション平均価格は 5918万円でしたが、2019年4月には4568万円に下がっています。

中古の相場価格も下がり始めています。

不動産の価格は、このように世の中の出来事や市況で左右されます。

この記事を読んでいるあなたは、これから買うのか売るのか分かりませんが、未来のことは分からないということを踏まえて、検討してみて下さい。

 

ここまで読んで下さいましてありがとうございます。

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